2016年04月

リアサスペンションを外しました。
よく見るとオイル漏れしてロッドがベタベタ。


ですのでオーバーホールされたオーリンズに変更します。(別体タンクの装着スペースが心配ですが)



サスペンション自体は装着出来ましたが


右のサイドカバー内側にスペースを見つけました。


軽いのでタイラップで固定。
減衰調整も容易な位置に。


それでは早速テスト走行に行きましょう。


慣れない低めのセパハンと、撮影カメラがタンクと干渉する事に苦戦しましたが、マシン自体はかなり良好なフィーリングです。

私の仕上げる特性として、ギヤを一段落して加速するのではなく、アクセルを捻るだけで加速する市街地や高速道路に重点を置いています。
1万回転からピークパワーが出るようなセッティングではサーキットで楽しいかもしれませんが街乗りやツーリングでは全く使えませんので。

低中速で凄い。これを日夜追求しています。

バルブタイミングを修正する為カムシャフトを取り外し。


「やけに軽いな」と感じ、端面を覗いてみたところ貫通しています。
中空なのですね。



カムシャフトからスプロケットを外し



取り付け穴と歯の位置関係をよく観察し。そしていろいろやりまして、


作業に集中し過ぎてしまい途中経過の写真がこれ以降ありませんが、バルブタイミングは99-99に合わせました。
その後バルブクリアランスも調整。キャブレターも直してから装着。
そしてエンジン始動

作業前とは桁違いの吹け上がり方になりました。

明日の試運転が楽しみです。

続く


クランクに円分度器も装着出来まして。


正確なピストントップを出します。



そしてインテークとエキゾーストを測定しました。
このようなレプリカバイクのカムプロフィール特性として解った事は最大リフト時。特にエキゾースト側はクランク角度で15度全開で開きっぱなしです。

カムのおむすび形状を見れば理解して頂けると思います。


念のためサービスマニュアルが公表しているバルブタイミングです。
吸気の中心角を計算すると
38+66+180=284
284÷2=142
142−38=104度

排気の中心角も同様に計算すると
103度です。

偶然にも私が手がけたGS750の1号車や3号車。そしてGS1000で狙って調整した中心角と大体一致しています。
この辺りが気持ち良いエンジン特性を得られるのではないでしょうか。

さて本題のGSX-R750の測定結果は…
吸気114度
排気92度
と全く論外な数値です。

それもそのはず
この距離ではタイミングチェーンが伸び伸びですので。

続く

ヘッドカバーを開けてみます。


これが新世代DOHC。
とは言っても約30年前の旧車です。
普段GSシリーズの2バルブを見慣れているもので、4バルブを見るとつい新しく感じてしまいます。


バルブクリアランスはロックナットを緩めてアジャストスクリューを回すと調整出来ます。わざわざアウターシムを買い足す必要がないのでリーズナブル。



ついでにバルブタイミングも測定してみますが、問題にぶつかりました。
円分度器を取り付ける方法が…

続く

エンジンの吹け上がりが悪いため当ガレージに入ってきましたGR71G。



まずはキャブレターを外します。


純正ではありますがなんとミクニ製のフラットキャブレターです。



キャブレターを逆さまにして出てきた液体はこのような色。燃料タンクに水が混入している様子で。


フロート室を外すと


4番のメインジェットは錆汁で穴が完全に塞がった状態。



そして極め付けは加速ポンプのロッド。
加速ポンプは1番と3番に装着されているのですが下の写真は正常な3番。


次の写真は1番の加速ポンプ部です。黒いゴムブーツとロッドが見えません。つまり加速時燃料が増量されていないという事。
それどころかフロート室に直接ホコリなどのダストが混入してしまいます。
本来付いていなければならない部品が何故取り外されているのかは謎ですが、旧車の部類に入るオートバイは適当に部品を組まれている可能性が高いです。

因みにこのキャブレターのメインジェットは♯110が装着されております。
純正はパーツリストによると♯97.5。過去オーバーホールした時に今までの加速が出なかったのでこれで誤魔化そうとでもしたのでしょうか。

実はオーナーの話によると、「某バイクショップで昨年キャブレターをオーバーホールした」との事。有名なお店の名前はここでは伏せておきますが、それにしてもとんでもない仕事です。


オーナーの希望でついでにヘッドカバーも開けてみます。


続く

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